日本エコツーリズム協会

月いちフォーラム

エコツアーの歩き方 毎月第2水曜日はエコツアーの日!

エコツアーの現場で活躍する方の経験を通して、エコツアーについて語り合う場として、毎月1回フォーラムを開催しています。日常から開放され、心と体が癒され、地球にやさしい旅を、お茶でも飲みながら一緒に考えてみませんか?
「エコツアーって何?」「まだよく分からない」という方、ぜひご参加ください。

今日の主人公は鹿

1989年から宮城県沖にある金華島へ鹿調査に入っている南氏。「生まれてくる時はひづめが白い。お母さんの産道を傷つけないようにカバーがついているから。2、3日したら、カバーがとれて黒くなる」と今日の主人公である鹿のことを色々と聞かせてくれた。

「角はオスだけにある。秋にだけ硬くなる。短いときは触ると暖かい」と言うから驚き。それは角を伸ばすために、成長中は血が通っていてカルシウムを運んでいるから。また、本土の鹿の角と金華島の鹿の角とでは密度が違う。見栄えを良くするために角を長くしている。「オスは体のサイズと角の長さで見栄えを競う。決着がつかないと戦いが始まる。戦うときに強いように角を楕円にする。資源が少なくても強くできるから。だから、角を見れば栄養状態がわかる」角のことだけでも知らなかった様々な話が飛び出した。

エコツーリズムではどういうガイドが楽しいか?
オスとメスがいて秋にハレムを形成する、なーんて説明じゃあ面白くない。みんな知っていること。3頭のメスを連れているオスもいれば、「もやしくん」というオスは20頭ぐらいのハレムを形成する。でも、それには努力が必要! "においづけ"といって、自分のにおいで周囲を満たせるように、おしっこを放ち、自分でごろごろしてにおいをつける。

「鹿がいっぱいいますね~」と言うだけと、状況の説明ができるのとでは面白みが全然違ってくる。
ハレムをもつと子どもを残せる。メスも大変! オスと違って子育てをしなきゃいけない。失敗すると、子どもは死んでしまう。8頭生んで、2歳までに4頭死んでしまったケースもある。子どもを生んだ後は結構体重が減る。2年続けて生むと、10キロ減ってしまうこともある。それなのに、子どものほうが死んでしまう。子鹿のかわいい写真があるが、本人たちは必死。8年かけて3頭ぐらいしか育たないのが平均、と言うから本当に必死だ。

金華島は草原の島で、周囲17キロ。そこに600頭の鹿がいる。"アザミ"はとがっている草なのに、鹿は角で柔らかくして食べてしまう。木も根っこも食べちゃう。そうすると、中間層の植物がなく、大木と、とげのある植物ぐらいしか残らない。芝はライバルを食べてもらい、自分は早く回復し、種を運んでもらい、発芽を促進してもらって増えていく。
低木が減ると、昆虫が減る。するとクモも減る。さらには鳥も減る。
鹿の存在は土の中も含め生態系を変えてきた。

1つの生き物から、いろんなことが見えてくる。生態系が見えてくる。
「ガイドが生き物のことをよく知っていると、参加者にも生態系がよく見えて、すごく面白い。見どころを伝えるのがガイドの役割」と力強く語ってくれた。そのための研究を欠かさない南氏の姿勢がとても印象的。鹿好きはもちろんのこと、そうでなくても興味をそそられる話だった。こん

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