日本エコツーリズム協会

月いちフォーラム

エコツアーの歩き方 毎月第2水曜日はエコツアーの日!

エコツアーの現場で活躍する方の経験を通して、エコツアーについて語り合う場として、毎月1回フォーラムを開催しています。日常から開放され、心と体が癒され、地球にやさしい旅を、お茶でも飲みながら一緒に考えてみませんか?
「エコツアーって何?」「まだよく分からない」という方、ぜひご参加ください。

『上高地 命の森からの贈り物 -森に見つめられる瞬間を過ごす』

この秋、桂の木の葉っぱの散り方をテレビ番組のために撮影した。30分間にすごい勢いで葉を落としていった。これは初めて知ったこと。僕は毎年新しい発見 をしている。だからガイドを続けていられる。新しいものが自分のこやしになる。人には見せないものを持つこともとても大事。
と人に見せる仕事をしていても、自分だけの秘密の宝物があることを教えてくれることから始まった今回のフォーラム。木村氏は月いちフォーラム初の現役ガイド。
そんな木村さんは上高地の写真を100枚以上持参してきた。「上高地がいると勇気付けられるから」とバックにスライドショーを流しながらトークしてくれた。

「みんなが思い描いているエコツーリズムと現場のガイドの考えとはギャップがある。」と言い、突然、会場に「みなさん、立ってください」と呼びかけた。さすが、現役ガイドさん。アクティブだ。「同じ考えを持っている人でグループを作ってください」と、3つの質問があった。

①エコツアーに参加した回数: 0回 4人、1回 3人、2回 2人、3回 8人、5回 5人、10回以上 3人
②参加したときに一番人数が多かったのは: 20人以上:6人、15~19人:3人、10~14人:1人、5~9人:6人、5人未満:2人
③1人のガイドあたりに、理想の人数は: 5人まで:2人、5~10人:10人、11~15人:8人、16~20人:2人、20人ぐらい:2人

たった3つの質問からでも、少し現場の状況が想像できた。

私たちガイドはエコツアーで食べていかなきゃいけない。月収20万円の人を雇うと、会社は 30~40万払う。1人のガイドは1ヶ月に40万稼がなきゃいけない。NPGの半日ツアーは1500円。40万稼ぐには267人案内しなくてはいけない。 22日労働と考えると、1日12人案内しなくてはいけない。ということは1ツアー平均8人を2回。 しかし、NPGでは2人のメインガイドが6ヶ月で1800人を案内。1人900人÷6ヶ月=月150人。267人には足りていない! スポンサーがいるからやっていけているのだ。これが現状。 では、8人グループでやるには料金を上げればいい? 2時間3000円じゃ誰も来ない。NPGで一番安いのは1時間のツアーで、1000円のもの。3000人の客に支えてもらわないと生きていけないのが現 状。
「 だから、"エコツアー"はもっと認知されるべき」と。

プログラムを作るときにスタッフに必ず言っていることは「上高地を好きになってもらうことだけを考えればいい」だそうだ。上高地を好きになったら、自然が好きになる。自然を好きなれば、自然を壊さないから。
そして、木村氏が大切にしているテーマは、"洋物はさける"ということ。
ツアー中にお茶の時間があるが、お抹茶なんです。コーヒーをだすとガバッと飲んでさぁ行こうという気になってしまう。抹茶を出すと、みんなゆっくりになる。歩き方も話し方さえもゆっくりになる。
そう、自然をゆっくり見て欲しい。
何て花?って聞かれると、答えずに、漢字で書いてみせる。『サラシナショウマ』 漢字で書けますか? 「晒菜升麻」 晒は白いという意味。菜は食べられるものに使う。升麻という種類植物。こうして見せると、覚えやすい。

「僕たちはぼくらの仕事をなくすために仕事をしている。」と木村氏は言う。みんなが自然から離れてしまったから成り立つ仕事。自然から離れた人たちを自然 とつないでくれる。その自然の中にも人が織り成す世界もある。「上高地の普通を見てもらいたい。それがエコツアー。」自然から離れていない人たちの世界を ぜひ木村氏のガイドで体験しに行ってみてください。

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