エコツアーの現場で活躍する方の経験を通して、エコツアーについて語り合う場として、毎月1回フォーラムを開催しています。日常から開放され、心と体が癒され、地球にやさしい旅を、お茶でも飲みながら一緒に考えてみませんか?
「エコツアーって何?」「まだよく分からない」という方、ぜひご参加ください。
『エコツアーは環境教育のフィールド』

"環境教育の全て"はエコツアーだとは思っていないが、"全てのエコツアー"は環境教育になると思っている」と言って始まった今回の月いちフォーラム。北 極圏を犬ぞりで走ったり、アマゾン川1,500kmをカヌーでくだったりと様々な冒険をしてきた高野孝子氏。そんな彼女の自然との接し方、そして自然から 学ぶことの多さを語っていただいた。
「自然の中の活動」
1枚の見事な写真。そこに写るのは一面氷で覆われた北極の海。グリーンランドの村から狩に出た時のもの-
とてもきれいで声をあげたら、となりのおじいちゃんは「んー、あざらしが5匹いる」と。私にはアザラシはほとんど見えなかった。人によって違うものを見て いる。同じ時間に、同じ場所にいても、見えているものが違う。それは、ものを見る目は、暮らしの中で培われていくものだから。
「自然に近いくらし」
自然の中にでかける原動力は「人に会いたい」ということ。自然に近いくらしをしている人たちに会いたい。どんな人たちが、どんな生き方をしているのかを見たい。
自分たちが普段暮らさない所に行く時は、その場所の暮らしの状況をできるだけトータルで理解しないといけない。そうしないと、その場所に悪影響をおよぼす可能性がある。
自然に近い暮らし(=命に近い暮らし)をしている人に接すると、人間ってこんなにすごかったんだと思い出させてくれる。
自然よりも、そこで暮らす人、その"命"から学ぶことが断然多い。そこで暮らす人が大事だからそれを守ろうと思える。

「体験的学びの場づくり」
究極の目的は「平和で豊かで持続可能な暮らし、未来」を作ること。活動のテーマは「豊かさってな~に?」と問いかけること。私達の価値観がこれからの未来に影響していく。だから、キーワードは「命は繋がっている」。それを、文化、国籍を超えた共同作業を通して学んでもらう。"とびっきりの自然の旅"をいろんな人と、いろんな所でしてもらいたい。
消費者として、ただ消費して帰ってくるのではなく、そこの暮らしに入れてもらって生活を知る。そして、理解することによって、一緒に作業することによっ て、そこの課題が見えてくる。若者がいないとか、なぜいなくなったのか、なぜこの共同体が機能しなくなったのか、とか・・・。
「ヤップ島」(ミクロネシア連邦)
ナイフ1本あれば暮らせる島。魚が取れてから、近くの葉っぱをとって、バスケットをナイフでつくる。人のリズムが、自然のリズムに近い所。
何が平和をつくっていくのか。守るために攻撃するのではなく、家族とコミュニティーがしっかりしていること。それが平和に繋がる。
こういう場所にいると、自分の普段の暮らしの中から生きるということが省略されているのがわかる。

「南極」 日本の37倍の大きさ。氷に覆われていないのは、そのたった3%の部分。そこにほとんどの命が集約されている。だからもろい。
120年たっても生き物が分解されない。何千年もかかるかもしれない。もし、汚染物質がまかれたら、分解されない。28年前に流した洗剤の後が残っているほど。生態系のつくりを教えてくれた場所。
最後には実際に高野氏が行ったツアーに参加した学生が、価値観を変えられたという話で幕をとじた。実際に現地に行かなくても、彼女が感じた自然を通して色 んなことを感じた人が多いのでは。平和に繋がるのは、まず自分が家族や周りの人を大切にしていくことなんだと。答えは意外とシンプルなところにあるもの だ。










