エコツアーの現場で活躍する方の経験を通して、エコツアーについて語り合う場として、毎月1回フォーラムを開催しています。日常から開放され、心と体が癒され、地球にやさしい旅を、お茶でも飲みながら一緒に考えてみませんか?
「エコツアーって何?」「まだよく分からない」という方、ぜひご参加ください。
「野生動物と触れ合う旅」
学生時代から動物に興味をもち調査や保護活動をはじめ、今は岐阜県立森林アカデミーで教授を務める小林氏。JESのガイド養成講座でもご活躍いただいている。活動範囲は幅広いが、専門である野生動物について語っていただいた。
「動物ウォッチングツアーで一番のポイントになりがちなのは、実際に動物が見られるかどうか。そのため、餌付けをして必ず見られるようにしている人たちも いる。海外に行ったときに餌付けをしている業者に"日本人は見ないと満足しないから"と言われたことがある。本当は"自然の状態を見たい"と思っているは ずなのに、いつの間にか自然でない状態のものを見せられてしまっている。これはよくないこと。実際に動物が見られなくても、それでも満足させられるか、それが技術」と言い切る小林さん。
「ロシアのアムールトラが生息するエリアに行ってきた。そこにはブラックベアが50頭生息している。そのブラックベアを10頭いるヒグマが食べる。ヒグマ を5頭いる狼が。そして、狼をアムールトラが食べる。もちろん、アムールトラとは遭遇しなかったのだが、そういう話を聞いて、実際に大きな足跡を見ると、 自分もその動物たちと同じ空間にいるということを体感した」
「環境教育は"モノ"じゃない。実際の"モノ"であれば、手に取って、これはこのぐらいの価値があるとか、いくらだと言いやすい。しかし、環境教育は目に見えない。目に見えないものを通して、"気づき"を与えられるかどうかだ」
その"気づき"を小林さんはこんな言い方で表現していた。
「震える感動」「しびれる体験」「後からじわっとくる気づき」
エコツアーに参加することで、「自分だけではできなかったなと思える感動や体験」をしてもらう。そして、ツアー参加後の日常生活をしているときに「あっ、このことか」と確信をもって気づけることをもって帰ってもらう。

「ツアーでは自然へのアプローチの仕方を教える。実際に見えなくても、その人自身ができるようになるということを伝える。そして、他の人に話したくなるよ うな体験をしてもらう。見えない時間帯は感じてもらえる時間になる。例えば、奥多摩という大都会新宿から目と鼻の先の場所で、カモシカが見られるのはとて も不思議なこと。そういうことを体感してもらう。それは自然と一体化し溶け込んでしまうこと。知識をしゃべりまくるのではなく、共感してもらうことが大事。自分と周りの自然との境目が分からなくなるような時間を体感することが大切。」
小林さんが学生時代から追いかけているカモシカや国内外の動物の写真を見せていただき、幕を閉じた。

前回の辰野さんに続いて、また"気づき"という言葉が出てきた。みんな、この"気づき"をもってもらうため活動をしているのだろう。そして、それをまだ知 らない人はたくさんいるだろう。エコツアーは色々なことを楽しみながら、気づかないうちに"気づき"を得られる。みなさんも、この夏、エコツアーに参加し てみては。










