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2007年 レンジャー派遣 村上 正剛(ゴールドコースト)
【11月】
「土ボタル」を巡って
今回は、前回、夜のパトロールの様子をレポートしましたスプリングブルック国立公園のナチュラルブリッジに関わる問題のいくつかをレポートします。
クィーンズランド州では、個人で国立公園を訪ねても無料ですが、商用で国立公園を利用する場合には、州環境省の許可が必要となります。特に観光客の多いナチュラルブリッジでは、その許可の中に各ツアー会社が、一晩に何人までお客さんを連れてこられるかが規定されています。問題の一つ目は、その人数の割振りについてです。現在、その割振りが不均衡で、ある会社は100人以上連れてこられるのに、ある会社には数名分しか許可が出ていません。その為、割当て人数が少ないツアー会社からは、不平が出ています。現に、割当てをもらえなかった現地ツアー会社と州環境省との間で、裁判沙汰にもなっています。
もっと割当て分を増やして欲しいツアー会社がある一方、許可をもらっている人数枠が余っているツアー会社もあります。そこで、許可を得ている会社間では、自社の使わない空き枠分をお互いに融通しあうことが、原則となっております。しかし、実際には、競合他社に、自社のもっている許可人数枠分を、渡さないことも起こっていて、ツアー会社間で摩擦が発生しているようです。
また、個人客のマナーの悪さも大きな問題の一つです。公園の入り口で、レンジャーが注意事項を伝えているのですが、やはり、中には、洞穴の中で、タバコを吸ったり、懐中電灯を直接「土ボタル」に当てたりするマナーの悪い訪問者もいるようです。もちろん、その現場をレンジャーが見つければ、罰金等の取締りを行なうことはできるのですが、レンジャーは常駐していませんので、取締まるのにも限界があります。
更に、現在、ツアーでの訪問者は、川に下りることは許可されていませんが、一方、個人での訪問者にはそのような規制はありません。その為、川で遊んでいる個人の訪問者たちを見て、ツアーでの訪問者が「自分たちは許されてないのに不平等だ」と、快く思わないことも起こっています。
これらの個人訪問者の問題解決方法の一つとして、旅行業界の方から、「他州のように個人客からも入場料をとるべき」との提案が出ています。しかし、クィーンズランド州としては、国立公園は、州民のものであり、彼らの支払う税金の中に、公園を利用する権利分も含まれているという考え方のようです。
最後に、現在、ナチュラルブリッジ・エリアではオーバーユース(過剰使用)の問題が懸念されています。今後、このエリアの利用に関わる規制強化の問題も含めて、激しい議論が起こりそうです。
このように綺麗な「土ボタル」を巡って、その裏では解決すべき様々な問題があります。自然保護地域での持続可能な旅行業を実施することの難しさを感じさせられます。
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ナチュラルブリッジエリアの渓流 < td> |
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ツインフォール滝(スプリングブルック国立公園) | |
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観光客で混雑するナチュラルブリッジのインフォメーションセンター | |
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ナチュラルブリッジエリアの絞め殺しのイチジク | |
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スプリングブルック国立公園の遊歩道 | |
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パーリングブルックの滝(スプリングブルック国立公園) |









