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2007年 レンジャー派遣 村上 正剛(ゴールドコースト)
【9月】
ボランティアの仕組みについて
今回は、前回、前々回と述べてきましたレンジャーの活動を支えるボランティアさんのモチベーション(参加動機)とボランティア活動に関する問題点についてレポートします。
(写真上:コアラの朝ごはん)
ボランティアさんには、その参加動機により、大きく分けて3種類の方がいます。

一つ目は、ワーク・エクスペリエンス(就労体験)としてボランティア活動に参加している方々です。これは、特に若い学生さんに多く見られ、ボランティア活動を通じて知識やスキルを身につけ、将来は、レンジャーも含めた自然を相手にした職業に就こうと考えています。現に多くのレンジャーはボランティア経験者です。
二つ目は、年配の方で、純粋に退職後の余暇の充実のためにボランティアをやっている方たちです。普通のサラリーマンであった方でも、趣味を通して得た知識やスキルを使って、独自の自然講座(バードウォッチングなど)を開いているボランティアの方もいます。
三つ目としては、オーストラリアでは、退職後、ボランティアであっても働いている方用に、通常の年金とは別に政府から年金のようなものが支払われますので、それを目当てにボランティアに参加される方です。このように3つのモチベーションを挙げましたが、皆さんに共通する一番のモチベーションは、「自然が好きであること」に間違いはないと思います。(写真上:ワラビーの赤ちゃん)
QPWSでは、そのボランティアさん達にポロシャツやバッヂ、ワッペンなどを支給していますが、それらは、彼らのモチベーションを保つために大変役に立っているように見えます。支給している物は、どれも大して高額なものではないのですが、こういうちょっとしたものが、ボランティアさんにとっては、自分たちの存在が認められた証のようなもので、皆さん嬉しそうに受け取っていきます。(写真:ボランティア用ポロシャツ)
一見、全てうまくいっているように見えるボランティアの仕組みですが、いくつかの問題もあります。前回、ボランティアだけで運営されているインフォメーション・センターを紹介しましたが、時には、当番のボランティアさんが来れなくなることもあり、レンジャーとしては、他のボランティアさんに急遽、交代での出勤を強要することもできず、やむなく、インフォメーション・センターを休みにしなければならない時もあります。また、ボランティアさんも長く活動をされていると、いろいろ要求や主張することも多くなり、若いレンジャーが管理しにくくなることもあります。特に、QPWSの活動方針等を変えようとする時などは、古くから活動されているボランティアさんから強い拒絶反応が出てくることもあります。他にも、縦割りのレンジャーの組織のために、ボランティアの活用が非効率になることもあります。例えば、同じようなアクティビティの内容を、異なったレンジャーの部門(レンジャーの仕事割りについては前々回参照)でやっている場合、ボランティアさんをうまく両方の部門で共用できればいいのですが、部門間の壁により、うまく活用できないこともあります。(写真:アクティビティ用品棚)

以上のように、こちらのボランティアの仕組みも決して完璧ではありませんが、日本のボランティア活動よりは概して、仕組み的にしっかりしており、見習うべきところも多いように感じています。

(写真上:ジュニアレンジャーがもらえるワッペン)
2007年9月
村上正剛(むらかみ せいごう)
※日本人レンジャーのレポートは毎月更新していきます。
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