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2007年 レンジャー派遣 原 智宏(ケアンズ)
【10月】
ツアー参加や国立公園視察から見えてきたこと
~動物関係のツアーと保護~
クイーンズランド州北部の大自然は、様々な動植物の貴重な住処として知られ、その理由からも世界自然遺産に認定されています。ケアンズに訪れる観光客の方々も、「世界遺産」という響きに惹かれて来る方もいますし、観光業界も「世界遺産」のプロモーションに躍起です。
自然の恵みを楽しむ体験の一つに、オーストラリア独自のユニークな動物たちにめぐり会う機会が人気です。動物園などでは、コアラを抱っこして写真を撮ったり、クロコダイルのワイルドなジャンプを観たり、おなかの袋に赤ちゃんの入ったカンガルーに餌付けしたりできます。また、バスツアーでは、ケアンズ周辺の様々な自然を巡りながら動物たちを探し、ガイドが動物について説明してくれます。訪れる方々はほとんどが満足して帰ります。
そこで一つ皆さんの知らない事実があります。
実は、クイーンズランド州の野生動物はすべて州政府のものです。国立公園や私有地を問わず、同州にいるクロコダイルもコアラもカンガルーも、州政府がその自然保護法(Nature Conservation Act 1992)の元で保護しています。野生生物に関わるところでは、捕獲、移動、保護、使用などの行為に対して免許と許可があり、その管理をQPWSが行っています。
Q. 野生動物の許認可制度は、観光業とどのように関わるのか?
動物園などの観光施設は、動物を商業目的に使う場となり、頭数や飼育状況、健康状態などの報告を厳しく管理しています。他方、私有地などでの動物観察ツアーなどは、餌付けをする場合は別途許可を得る必要があります。
Q. 餌付けをするのになぜ申請をしなければいけないか?
「餌付け」に関しては、様々な意見があります。鳥などは、餌をあげても馬鹿ではないのでその餌に依存はしないとか、教育的要素があるなどで、問題ないと言う方々もいます。他方、いかなる場合も餌付けの影響は大きく、生態系の変化にまで繋がると言う方もいます。
基本的に、餌付けは禁止されています。自然食品であっても与えること自体による懸念がされていますが、私たちが口にする加工食品を与えることは、その動物の習慣やその他の動植物の生存環境に悪影響を与えうるので特に注意されています。また、麦のような自然食品でも、その環境に属さないものや大量に与えることで、ネズミや虫の増殖に影響を与えてしまいます。
QPWSには、野生動物を専門に扱うワイルドライフ・レンジャー(Wildlife Ranger)がおり、地域住民に啓蒙活動をしています。また、地域の野生動物保護団体と一緒に保護活動をしています。
私の仕事としては、日本人観光客を対象にした観光業界向けにセミナーを企画したり、日本語のガイダンスを準備して、より自然と野生動物に優しいツアーの実施に役立ててもらえるよう、業界と公園管理局に働きかけています。
次回は、まだ知られていないケアンズ周辺の「おすすめスポット&ツアー」を紹介します。
2007年10月
原 智宏(はら ともひろ)
※日本人レンジャーのレポートは毎月更新していきます。
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e-mail:ecojapan@alles.or.jp









